今日から始まった今村能章の個展。

初日の今日は作家自らがコーヒーをドリップ。

陶芸家になる前職は本格コーヒーを淹れていた今村さん。

沖縄から一式を持ち込み、好みの一杯を淹れてくれました。

洋服を試着するのと同じように、気になるカップに入れてコーヒーを飲むことができるスタイル。

私がいただいたのは、酸味のあるコーヒー。

今や世界の主流になりつつあるというフルーティなコーヒー。

普段はコーヒーの酸味が得意でない私ですが、飲んでみるとその酸味とはちょっと違って

口の中で実に複雑な味わいがしました。

常温に戻しながら飲むと、だんだんと酸味が強くなり最後は柑橘系の果物をしぼったような感じさえして

ちょっとクセになるような味わいでした。

ほぼ原種の豆だそうで、見せてもらうと通常の豆の1/3ほどのポロポロしたとても小さい豆でした。

飲んだ全員が「美味しい!」と唸ったコーヒーは、ちゃんと豆の味がして

丁寧なプクプクと泡立つ山を眺めつつ、儀式のようなスマートな手さばきを見ているだけで

コーヒーってこういう飲み物だったのか!と体感できます。

今日 彼のコーヒーを飲んだ方は、きっと私と同じような気持ちになったのではないでしょうか。

あ!忘れてはならないことがひとつ。

彼はコーヒーを淹れる人ではなくて陶芸家です、ですよね?

でしたっけ?

前回の森下さんもPunto専属の流しに見える時がありますが(シンゴさん、すみません)

お二人ともれっきとした陶芸家。

今村さんは、取材の話も興味深く

確固たるエネルギーで何かしら現実を変えてくれそうな気配さえ感じるのは私だけでしょうか。

当初、確かノウハウを尋ねた私に「コーヒーは自由」と話された言葉がとても印象的でした。

「もっと掘り下げれば、器もファッションも楽しめる接着剤的な飲み物だ」とも。

自分なりのコーヒーの楽しみ方を知れば、

それを飲む場所も器もファッションも会話も、

生き方さえ もっとクリエイティブになるのかもしれない。

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