「Organic Shapes」 一色智登世

2018年11月1日(木)~11月11日(日)

3日(土)、4日(日)、11日(日)作家在廊

月・火・水曜日 休廊

11:00~20:00(最終日~16:00)  

自然の中には、とても美しく心奪われるような形があります。

とてつもなく長い時間を経て、少しずつ形を変えながら現在の姿になり、私達の周りに存在します。

あまりに当たり前すぎて、普段の生活では意識する事も少ないかもしれませんが、

今まで普通だと思っていた事がそうでなくなった時に、初めてその存在の大きさに気付き、

かけがえのないものだった事を実感するのです。

私は、自然の形をテーマに制作をしています。

自然の形はミクロの目でみると、無数の同じ形の集合体であり、とても美しい形をしています。

私の作品も同じ形の棒を集合させ、棒の疎密とグラデーションになっている色で、より形を強調するような表現をしています。

一見、陶芸の作品には見えないかもしれませんが、だからこそ陶芸で表現する意味があるのではないかと思います。

自然の美しさや大切さを感じていただける様な作品を作っていきたいと思っております。   川越里美 

川越里美の造形 〜柔らかく頑なな形〜

彼女の作品は分かり易く言えばウニのような形状をしている。棘の様な突起が出ており、一見頑なな、しかし柔らかな不思議な印象を与える。また、今にも動き出しそうな、いくつかの塊に分割してゆきそうな蠢きを感じる。

また制作や上では彼女の作品は精巧で妥協がない。陶磁器という素材を使う上で、彼女の制作は非合理的である。しかしその非合理の中に生まれる表現として、魅力が生まれている。片手間にやっていては出来る仕事ではない。これは、京友禅の染み抜き職人であった父親の職人気質を引き継いだ、彼女の気質と感じる。

細い粘土の棒を一本一本付けてゆく。棒を作る作業、そしてそれを取り付ける作業、どこを見ても正確な根気強さを必要とする。長いものだと作品を一つ完成させるまでに4〜5ヶ月の時間を要するそうだ。目の前の作品にこれだけの時間対峙し続ける目線は、職人としての目線だと感じずにはいられない。また、表面的には手技の痕跡を感じさせないところが魅力でもある。

柔らかく動き出しそうな、しかし、その表面には棘の様なものがあり、外との距離を一定に保っている。頑なな外形からは、その内側は垣間見ることは出来ないが、棘のわずかな蠢きからそこにある大切な生命力の様なものを感じる。

彼女の作品に向き合う姿と、これからの作品展開にも期待を込めて見続けて行きたい。

金沢美術工芸大学 工芸科 教授 池田晶一(石川)

 

【川越 里美】

1975    京都府生まれ

1998    京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻卒業

2000    京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻修了

□ 個展

2001    ギャラリーマロニエ(京都)[’04]

2003    大福堂ギャラリー(兵庫)

2004    うつわ菜の花(神奈川)

2005   INAXガレリアセラミカ新宿(東京)

Galeria Punto 倉敷(岡山)

2008    Galeria Punto(岡山)

□ グループ展(2000以降)

2003    浮気のかたち2003(ギャラリーマロニエ・京都/ワコール銀座アートスペース・東京)[’04]

京都府美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館・京都)

2004    Ceramic Site(ギャラリー白,ギャラリー白3・大阪)[~’08,’11~’18]

2005    無限の源2005(守山市民ホール・滋賀)

新鋭美術選抜展(京都市美術館・京都)

第7回国際陶磁器展美濃’05(岐阜)[’08]

器・小さなオブジェ・道具展(INAXガレリアセラミカ新宿・東京)

2006    ガレリアセラミカの11人展(世界のタイル博物館・愛知)

2007    ザ☆オマモリ展2007(ギャラリーマロニエ・京都)[〜’09]

2008    現代作家立体小品展(ワコール銀座アートスペース・東京/ギャラリーマロニエ・京都)

現代陶芸作家による Ceramic Site 2008

(ギャラリー白・大阪/京阪百貨店守口店京阪美術画廊・大阪)

2009    CAMARD&ASSOCIES 現代日本の創造(オテル・ドゥルオ/フランス)

2012    Ceramic Site 2012~陶芸の可能性~(京阪百貨店守口店7階京阪ギャラリー・大阪)

2014    60年に一度の秘仏×現代アート(積寺・兵庫)

2015    魅惑の陶芸(京阪美術画廊・大阪)

□ 受賞

2003    京都府美術工芸新鋭選抜展 優秀賞

□ パブリックコレクション

京都文化博物館/世界のタイル博物館

galeria-punto

2 thoughts on “「Organic Shapes」 川越里美

  • 結城洋一

    川越先生の作品は、独創的で、すごいの一言です。関西文化芸術学院では、高等課程の時、陶芸を学び専門課程の時、洋画を学びましたよ。また川越先生のほうからも、高等課程でお世話になった久保田先生にもよろしくとお伝えくださいね。これからも心よりよろしくお願いします。

    返信
  • galeria-punto

    結城さま

    川越さんの作品を展示させてもらっておりますGaleria Puntoと申します。
    コメントありがとうございます。
    川越さんにコメント内容をお知らせしておきます。
    今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

    返信

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