こちらが今展のタイトルにもなっている「花さんぽ」。

今回は”花”がテーマとあって花の間も花で埋め尽くす満開感。

写真では黒く見えますがプルシアンブルーを何層にも重ねた夜空。

こちらは既に廃番となってしまったアメリカ製の赤色を基調に色作りをしてあります。

朱に近い赤は弁柄ぽくも思え、和室にこの大きい絵を飾るのもカッコイイ。

少し前になるが、著名な作家さんのお宅に伺った時のこと。

ご本人の作品はもちろん、それ以外の様々な作家の作品がたくさん並んでいることに驚いた。

天井からも何やら ぶら下がっている。

それらは全て購入されているらしく、中には石ころや流木や民芸品みたいなものまで、

自分の琴線に触れたものを、自分なりのアレンジで生活に取り入れておられた。

今思えば、そのセンスの良さもあったからだと思うが、壁に掛けられたものから足元の作品のラグまで

あまりの居心地の良さに「そろそろ・・」と言いつつ、つい長居したのを覚えている。

私はミニマリストではないので、身の回りには無駄なものも多い。

むしろ役に立たないものの方が多いかもしれない。

子どもの頃は綺麗な石を見つけると、引出しの中に宝物のように持っていたタイプである。

そう言えば、好きなキャラクターの絆創膏も集めていたなぁ。

あの石と絆創膏、どこ行った!?

どこや、どこなんやー。 やー。

かと言え、出来る限りキレイにシンプルに暮らしたいという人並みの願望はある。

だから、時にはとりつかれたように断捨離もする。

本来あった方が良さそうだけど心に響かないモノはなくし、

役に立つかは分からないけど魅かれるモノは残し、あると心躍るモノは増やす。

その中で、ダントツにアートは欠かせないモノになっている。

なぜなら、アートを部屋に置くことによって、日々の暮らしは想像以上に変化する。

私が体験した作家の家のように。

大げさかもしれないが、今までとは違う自分が始まる。

純粋美術に憧れて進んだ美大時代から、その感覚は今でも変わらない。

飽きることがない。

油彩の匂い漂う沼田さんの作品に囲まれて彼女と談笑していると、

この感覚をもっと多くの人に味わってもらいたいと思う訳なのである。

こちらは、全て異なるサボテンが描かれた「サボテン観察」。

沼田さんの作品にはよくサボテンも登場する。

と思っていたら、お客さまからサボテンのボールペンをいただいた。

嬉しい。

これは、インクがなくなっても捨てずに置いておくことになるだろう。

「花さんぽ」は、10月28日(日)まで。

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