川上和歌子さんのインコを国宝鶴林寺へ遠足に行かせたい!

4年越しの熱い想いを胸に、初めてのクラウドファンディングに踏み切ったのが去る8月。

怒涛のクラウドファンディング最終日、ミラクルとも言うべき大逆転をみせ

アート・プログラム念願のインコ遠足を実現することとなった。

見よ!この勇姿を!

インコが鶴林寺の仁王門に舞い降りた瞬間は、忘れることはできない。

遠足初日、引率の川上和歌子さんに連れられてやって来た巨大インコたち。

インコが気兼ねなく遠足をするために、ボランティアスタッフでインコチームを結成。

即席で結成されたインコチームは、徳林チームと川谷チーム、保健室担当は東さん。

川上さんが伝えるノウハウをすぐさま理解し、キラキラと輝く目でインコを迎えてくれた。

川上さんはもちろんのこと、スタッフのおかげで、

想像以上にたくさんの人をインコの虜にしたと言っても過言ではなく、

この後、2週間余り 鶴林寺はインコフィーバーに沸くこととなる。

初めて鶴林寺に来た時は、いつもより小さい和歌子先生がひとりだけ。

日に日に人が増え、僕たちの遠足を、初めて出会う皆が喜んでくれたっけ。

何と言っても仁王門からの眺めは最高!

かなり遠くからも僕たちを見つけては写真を撮ってくれる。

Twitterでは加古川に異様な光景が広がっていると、知らない人たちが僕らを見つけてつぶやいてもくれた。

夜はスター気分だったなぁ。

インコミラクルは一度ではなく、連日の雨予報を覆し青空が続いた。

遠足終了の2日前までは。

そして遠足での和歌子先生は、いつもと同じように優しかった。

ただ、

いつになく先生がはにかんでいたので、帰りのバスの中で冷やかしてみようと思う。

そんな引率役のアーティスト川上さんは遠足の間 何をしていたかと言うと、

インコ遠足の司令塔はもちろんのこと

ポストカードにサインをしたり、支援者へのお礼のハガキを書いてくれていた。

川上さんはあまりにもチャーミングで、少し話しただけで引き込まれてしまう。

そんな中、インコミラクルに暗雲が立ち込めたのが台風19号だった。

鶴林寺は2つの国宝と、それ以外のほとんどは重要文化財である。

台風を懸念して、私たちは3羽に避難を促したところ、

インコチーム不在の中、大阪大学の佐藤先生、北口さん、高校生の新くんが3羽を救出。

その頃、インコチームのメンバーがひとりまたひとりとインコを心配して鶴林寺にやって来てくれたのだ。

「インコ、どうですか?」

「もしかして、インコかなと思って。」

インコかなと思って?

もうインコは動詞と形容詞も含有。

現場からは「インコを仁王門に置いておいて」という熱烈な要望も少なくなかった。

私たちも同じ気持ちでギリギリまでインコを残したが、

19号の猛威の前に、遂に残り16羽を救出。

台風が去った後、インコ達に残された時間は1日だけだった。

最終日の朝、「あれ?インコいないんですね・・」というしょんぼりした声が聞こえてくる。

残りは1日を残すのみ、川上さんはいない、インコチームも不在である。

インコを飛ばすか飛ばさぬか?

私たちは飛ばすことを選んだ!

インコを再び仁王門に飛ばせてくれた協力者は、

インコシスターズに憧れていたスーパーボランティア鷺さんと、頼れる安定感の北口さん。

最終日の日曜は一番の人出だったように思う。

会期中、たくさんの人と戯れて遊んだインコたち。

みんな優しくて、おやつを食べる暇も惜しんで遊んだ。

私も、足元から知らぬうちにインコ現象。

そろそろインコかなと思って。

最終日、これで施美時間も終わりかと仁王門を見上げていたら、

一眼レフを手にニコニコしながら少し腰を曲げて年配の男性がこちらに向かってやって来た。

足元はややおぼつかなく、時々つまずきそうになって少し心配になる。

男性は、私に向かって会釈をしてからインコを撮り出した。

とても嬉しそうに。

その光景にジーンとした。

2人でしばらく黙って一緒にインコを撮った。

 

いよいよお別れの時。

インコは遂に1羽となった。

最後の一羽は、インコチームのひとり 寡黙な川来さんが手助け。

あれ?

川来さん、泣いてる?

きっと泣いてないよね。

でも、この場に居合わせられなかったスタッフの皆は、この写真を見て全員泣いているに違いない。

インコたちを鶴林寺へ連れてきてくれたクラウドファンディングパトロンの皆さま、

一度は諦めかけたインコ達は、こうして鶴林寺へ遠足に来ることが出来ました!!

本当にありがとうございました!涙。

インコに関わってくれた作家さん、ボランティアスタッフの皆さん、ありがとうございました。

最後は、鶴林寺で最も古い国宝 太子堂で記念撮影。

インコたち、鶴林寺に遠足に来てくれて本当にありがとう!!

アート・プログラムの我がままを引き受けてくださった川上和歌子さんに、心から感謝申し上げます。

ケガ羽は1羽も出ず、全員元気にしています!

遠足は家に帰るまでが遠足です。

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