高崎 元尚

2005/08/16(火)〜08/28(日) 「高崎元尚展」

↑ クリックすると会場内が御覧 になれます。

2002/06 「装置」

■「装置」の誕生■
1950年代は、自由に何でも出来る時代であった。タブーだった朱と緑の強烈なコントラストでハードエッジをやった。58年、形のある抽象の代表として 「抽象絵画の展開」(東京近美)に出品した。この展覧会で初めて形のない抽象、アンフォルメルに出会う。パリーのアンフォルメルの旗手、今井俊満のたたき 付けた朱と緑のアクションに負けた。現代美術は展覧会場で負けたら終わりだ。以後、アメリカのアクションペインティングの奇才、ボロックの壁に注目する。 同じようにペンキをオートマチックに振りまいても、他のアクションペインターがやれば、中心のある情緒的な絵になり、ボロックがやると、すべての感情を押 しやった、クールで重厚でオールオーバーな壁になる。超人的な精神の集中力だ。真似など出来る訳がない。次にウイーナーのサイバネティックスに興味を持 ち、コンピューターの原理を応用できないかと考えた。といっても数学の理論が分かった訳ではない。キャンバスを裁断した正方形を並べた。すると一つの展開 があった。枠を離れたキャンバスは当たりまえのことであるが曲がる。自然の曲がりは美しい。中心で固定するとパラボラ状になった。この形には人を引き付け る魔力がある。これを数百個連動させると、前に立つ人の肉体イリュージョンを増幅する装置、コンピューターになった。その頃パソコンは未だ 出来ておらず、写真で見るコンピューターは、部屋全体に真空管を張りめぐらせた巨大な装置であった。64年、「装置」をモダンアート協会展 に出品すると、新しい芸術が現れたと評判になった。一年だけ有名人になり、「朝日秀作美術展」(三越本店)「今日の作家」(横浜市民ギャラリー)「現代美 術の動向」(京都近美)に招待され、66年、ニューヨークの日本芸術祭にも出品することになり、初めての海外旅行に出掛けた。ニューヨークではアクション ペインティングが終わり、ポップアートが全盛時代を迎えていた。

1923年 高知県に生まれる
東京美術学校(現芸大)彫刻科卒
元モダンアート協会会員
元具体美術協会会員
■作品収蔵■
宮城県立美術館
東京国立近代美術館
大阪市立近代美術館建設準備室
芦屋市立美術博物館
北九州市立美術館
高知県立美術館
土佐山田町立美術館
ホーム