久世 建二

2005/11/8〜11/20「痕跡」
11 月8日(火)、午後7時よりGaleria Puntoにてオープニング・パーティ&アーティストトーク
作家在廊日 11月8日,20日
◆アーティストトーク
移転を記念致しまして、岩根宏行氏(RSKアナウンサー)、久世建二氏(金沢美術工芸大教授、
陶造形作家)、鐸木道剛氏 (岡山大助教授)によります対談を行います。

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“目に見えないものを見えるようにすること”
粘土と私の関わりの中から現れて くるその表情は無限である。道具が介在したり,手と粘土
との触れ合いの中で様々な形や肌合いが目前に現れてくる。それも、 ありふれたものではなく、
誰も今まで表現したことがないものを求めて、試行錯誤を繰り返している。
ある時、幾何学的な形状をした軟 らかい粘土の塊を目の高さから地面に落としてみた。それ
は、一瞬の出来事であった。なんと無機的な粘土の塊がまるで有機的 なまるで生き物のように
変身を遂げたのである。落下シリーズの始まりであった。作品が出来上がる過程で作者の手か
ら 離れたところで成立することにも独創 性を感じた。痕跡シリーズの場合は、ヘラやワイヤー
エン ドを使って粘土を掻き出したり、貼り付けたりと、ありふれた技法を使っていて も、結果
的には 他に類のない形や独特な表情を創り出すことに腐心している。
粘土がすでに記憶している造形的 表現力を1つでも新たに人の目に見えるようにすることが
私の仕事だと思っている。

2003/08「Falling・痕跡」

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やきものはばけもの
焼き物はばけものとよく言われ る。制作のプロセスで実によく化ける。まず、乾いた土に水分を加えて行くと次第に大きな変化を見せる。水の含有量により、さらさらした粉末の状態から徐々 に粘りを増して、いわゆる可塑性に富んだ形成しやすい粘土になり、水分が40パーセントを超えるとどろどろした状態になる。その後乾燥が進むに従って土は 様々に豊かな表情を見せる。まして800度や1000度以上の高温で焼かれた土達の姿は無限に変化する。まさに化け物と言われる所以である。
土には既に無限の造形的表現力が 備わっている。無限の造形と質感を記憶しているのだ。私の仕事はその土に少々の刺激を与えることで、土の記憶を呼び覚ますことだと思っている。
今迄、土に対して過剰な迄に刺激 を与えすぎたきらいが有る。私の手に負えない程のばけものになって一人歩きを始めるのだ。おばけ相手の仕事は骨が折れる。(久世 建二)

1945年福井県坂井郡芦原町生まれ
1968年金沢美術工芸大学産業美術学科工業 デザイン専攻卒業
1971年日本陶芸展選抜アメリカ・カナダ巡 回展(アメリカ・カナダ)
現代の陶芸アメリカ・カナダ・メ キシコと日本、東京国立近代美術館(東京)
1972年ファエンツア国際陶芸展 ラペンナ 観光局長賞受賞(イタリア)
1973年日本陶芸展選抜メキシコ・アルゼン チン巡回展(メキシコ・アルゼンチン)
ファエンツア国際陶芸展(イタリ ア)
1974年第11回日本国際美術展(東京)
1979年JAPAN TODAY  CHICAGO(シカゴ)
1980年CLAY WORK-やきものから 造形へ(大津)
1982年イタリア巡回現代陶芸展 国際交流 基金(ローマ)、日米アートand/orクラフト展(金沢)
1983年朝日現代クラフト展招待出品(大 阪)、現代日本の工芸展 福井県立美術館(福井)
1985年国際現代陶芸展 台北市立美術館 (台湾)、現代のやきもの展 呉市立美術館(広島)
現代陶芸作家120人展 講談社 (東京)
1987年'87八木一夫賞現代陶芸展 大賞 受賞
1988年新収蔵作品展 京都国立近代美術館 (京都)
1991年世界陶芸祭コンペ 優秀賞受賞 滋 賀県立陶芸の森美術館(信楽)
第4回国際シューボックス展(ハ ワイ)
1993年世界の工芸展 京都国立近代美術館 (京都)
1994年第5回国際シューボックス展(アメ リカ巡回)、藤田八栄子追悼展 桜画廊(名古屋)
1995年ファエンッアの風展 セラトピア土 岐(土岐)、福井の戦後美術50年(福井)
1996年冒険美術アドベンチャー・大地のさ さやき展 滋賀県立近代美術館(滋賀)
国際丹南アートフェスティバル '96特別展、土岡秀太郎生誕100年記念展(武生)
1997年ソウル・セラミックアート・ビエン ナーレ(ソウル)
新収蔵作品展 滋賀県立信楽陶芸 の森美術館(信楽)
1999年清州国際クラフト・ビエンナーレ '99(清州)、NHK衛星放送『焼き物探訪展』高島屋(東京 日本橋)
2000年国際陶芸展 精華大学美術学院(北 京)
2001年金沢21世紀美術館収集作品展 金 沢市民芸術村(金沢)
2002年第2回円空賞受賞、名古屋コンテン ポラリーアートフェアー
久世建二の世界展 名古屋芸術大 学
2003年現代陶芸の礎久世建二展 伊丹クラ フトセンター
2004年やきもの新感覚 久世建二展  INAX世界のタイル博物館

■ パブリックコレクション
北海道立近代美術館、京都国立近代美術館、ファエンツア国立陶芸博物館(イタリア)、アルゼンチン近代美術館・日本の家(ヴエノスアイレス)、金沢美術工 芸大学、国立国際美術館(大阪)、石川県立美術館(金沢)、滋賀県立信楽陶芸の森美術館(信楽)、高松市立美術館、ハワイ大学(アメリカ)、江南大学(ソ ウル)、精華大学美術学院(北京)、金沢21世紀美術館
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