リングのかたち
Galeria Punto通信vol.62008年8月6日~17日11:00~19:00(最終日は~17:00)、11日、12日休廊

 

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川越里美インタビューライン

今回の展覧会の形は、2001年の作品「しろのかたち いろのかたち」が原点になっているそうです。この作品を川越さんは次のように振り返ります。「この時の作品の形は球体のものが3作品。芯になる球の大きさは違いますが、出来上がった作品の球体の大きさは同じになります。芯につける棒の長さの違いによって、棒の密度が違ってきます」と語り、最初に棒の粗密の変化が作品ごとに生まれたことがわかります。

 

「しろのかたち いろのかたち」(2001年)

 

しろのかたち いろのかたち(2001年)

 

しろのかたち いろのかたち(2001年)

 

しろのかたち いろのかたち(2001年)

 

そして、2003年の「しろのかたち いろのかたち」は同じ技法ですが、「球を楕円にすることでひとつの作品の中に粗密ができることがわかりました」と、最初はひとつの形の中で棒の長さを変える事により粗密を作っていましたが、芯の形で棒の粗密を表わす方向に変わってきていきます。

 

 

「しろのかたち いろのかたち」(2003年)

 

しろのかたち いろのかたち(2003年)

 

作品の表面に線のような模様ができるのは「意図したものではなくて自然にできる」そうです。「まず中の芯の形によって外側の形が決まり、表面にできる模様は、1本目の棒に対して次の2本目の棒をどうつけるかによって決まっていきます」そして、「棒の長さはほぼ一定しています」ということですから、芯の形と芯につける1本目の棒と2本目の棒の間隔と角度で作品の表面の模様が自然と決まっていくということです。
なお、棒は押し出し機を自分で改造したものを使って磁土を成形し、それに発色する顔料を塗り、半分乾いたところで折ります。それを芯につけて焼くそうです 。

 

 

[しずくのかたち」(2004年)

 

しずくのかたち(2004年)

 

 

しずくのかたち(2004年)

 

「しずくのかたち」(2004)を選んだのは、「最初の2001年の作品で、水のない砂漠の中の一滴のイメージで作りましたが、2004年に同じようなテーマでもう一度作ってみようと思って、しずくのかたちが好きというのもあります」が、作品の構想の背景には、「砂漠には水がない、そして現代の水のありがたさみたいなものをテーマにしてつくってみようと思いました」ということがあります。今回の展覧会のテーマには自然破壊の問題を考えてほしいという思いがありますが、まさにその考えを象徴した作品だと思います。

 

 

「たまごのかたち」

 

たまごのかたち

 

 

「かじつのかたち」

 

かじつのかたち

 

その後の「たまごのかたち」、「かじつのかたち」などの作品は、「外側の全体の形がおもしろいものを選んで制作を続けていった」そうです。それらはいずれも「膨らんでいるかたち」ですが、次には「へこんだ形」も作りはじめ、「ぞうりむしのかたち」のようなものを経て、今回の「リングのかたち」(2005年)に至っています。形は複雑ですが、「作品の表面の模様が規則的にできないか」と考えてつくってみたそうです。

 

 

「リングのかたち」(2005年)

 

リングのかたち

 

 

りんぐのかたち

 

 

 

「crystal」(2006年)

 

crystal

 

 

crystal

 

現在の作品は、実際にあるかたちやわかりやすいかたちから、一見何なのかわからない独特のかたちに変わってきています。「crystal」(2006年)は、結晶をイメージした作品です。「結晶のようなかたちが規則正しく成長していく、その不思議な成長の感じがおもしろいと思って作りました」と言います。「increasing crystal」(2007年、ページ1のタイトル部分の作品)には結晶のイメージは感じられませんが、「鉱物の結晶にすごく有機的な形をしたものがあるのを見つけてより増殖していくイメージを強くだしていくようになりました」と、ミクロの世界にまで踏み込んだ作品をつくるようになって作品の世界はますます広がっていきます。

 

 

「green coral」(2006年)

 

increasing crystal

 

「green coral」(2006年)は珊瑚をイメージした作品です。「棘のつくりだすかたち」がどこまで広がっていくのか、これからの川越里美さんにさらに期待したいと思います。

 

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